Ranran cafe / Osaka / 2020
名称
氷とお芋の専門店 らんらん
web
所在地
大阪府茨木市
種別
店舗リノベーション
業務内容
設計・監理
HP作成
パッケージデザイン
面積
69.15.㎡(20.92坪)
施工
嵩倉建設
造園
園園
左官
総合建築植田
暖簾
fabricscape
什器
bowlpond
什器
SHARE WOODS
写真
足袋井竜也
動画
Takahiro Sashio
パッケージデザイン
SON.S
大阪府茨木市にある「氷とお芋の専門店 らんらん」の新店舗移転計画。商店街にあった既存店舗を移転するに当たり、「らんらんらしいこだわりのある空間でお客さまをお迎えしたい」という施主の想いのもと、オーナーの先代が暮らしていた木造平屋一軒家をリノベーションして新店舗へと生まれ変わらせた。
メインの商品は「大学芋」であり、その素材の芋は、全国100 種以上のさつまいもを食べ比べて厳選し、またその調理方法についても20 年以上の試行錯誤を重ね、他には無い独自の味を確立している。シンプルな商品であるからこそ、その素材や調理方法への強いこだわりや想いが「らんらんらしさ」であり、内装計画にもその精神を宿らせることを意識した。
土壁、柿渋和紙、木等、材料は自然素材にこだわり、それらに取り合う金属は色調の調和を意識し、銅を選択している。銅は他金属よりも経年変化が早く、旧材との馴染みも良い。土壁には、これまで毎日大量に廃棄されていたさつまいもの皮を練り混ぜ、らんらんならではのオリジナルな仕上げとした。床材はアピトンフローリングを採用しているが、既存の敷居を現しとし、銅板による見切りを入れ、その存在を強調した。新しい材料で既存の素材を隠してしまうような厚化粧のデザインではなく、既存躯体を素材としてとらえ、丁寧に調理するようにデザインする、そのような意識の表出を試みた。
外壁仕上げはあえて既存のままとし、周辺の住宅地と調和しながらも、前面道路の塀を撤去し、開放的な庭を設え、マチにささやかなシークエンスの変化を与えている。間口二間の既存の縁側をエントランスに転用し、建具は既存のまま使用しながらも、庇を新調することで、エントランスのおおらかさを拡張した。
店舗リニューアルに合わせて、HP・商品パッケージついても、デザインリニューアルを行っている。らんらんらしいこだわりある空間が、こだわり抜かれた商品と相まって、訪れたお客さまの日常を彩ることを願っている。